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ラ・レゼルヴ・ドォ
La Reserve D'O
極度の乾燥に守られた葡萄
オオトカゲ、さそり、へび等の野生種が自生し、ガリーグが生い茂る自然環境が造るワイン。タイムやローズマリー、そしてガリーグの独特の風味を感じさせる。
ワインショップからの転身
モンペリエから北西に30kmに位置する小さな集落アルボラ。人口は80人。3つのワイナリーが有り、住民はワイナリーで働く人がほとんど。周囲は岩盤が隆起した丘に囲まれており、北に位置するラルザック高原から南のエロー渓谷に吹き下ろす強い風(ミストラル)が1年中吹き、湿気を寄せ付けないので非常に乾燥している。夏は40度を超す事もあるが冬は体感温度で氷点下になることもある人間にとっては厳しい自然環境だが、葡萄にとっては理想的な環境。フレデリックとマリー・ショフレイ夫妻がこの地に移り住んだのは2005年。以前、ワインショップを経営していた2人は徐々にヴァン・ナチュールの取扱いが増えていき、自分達の体が求めているワインに気付いたのだそう。マリーは自分の味覚、嗅覚を高める事と農学に興味を持ち農学校に通う。学校に通ううちに自分達の理想のワインを造りたい欲求が抑えられなくなり、10年間かけて自分達の理想の自然環境を探し一目惚れしたのがアルボラだった。
ミストラルが湿気を防ぐ
アペラシオンはテラス・デュ・ラルザック。通常の造り手の畑は標高100m辺りだが、彼等の畑は集落の裏山の標高400mの場所。北風を直接受ける畑の土壌は石灰岩や片岩が強く有り、砂利が混じる。その上に薄い赤土の表土があるがミストラルによって飛ばされ、岩が剥き出しになっている。『極度に乾燥したこの畑は湿気によるベト病が全く無いのでボルドー液すら使う必要が無い。天然の肥料と極少量の硫黄だけで対応できる。腐敗果が出ても乾燥しているので広がることがない』畑では水晶、イラクサやスギナを煮出したものを使う。『できるだけ畑のまわりにあるものを使いたい。スギナはケイ素を含んでいるので葡萄樹は上に伸びるようになるし、アブラムシ等の害虫予防にもなる。殺虫剤よりもスギナの方がいい香だ。香の悪いものは土壌には良くない』ビオディナミの効能は直接的なものではなく、生物多様性が実現できること。葡萄以外の動植物の多様性を維持できる事が重要だと考えている。
飲みやすさが無ければ駄目
畑仕事は夫のフレデリックが担当。醸造はマリーが担当する。海まで30kmと近いが海洋性気候ではなく、ラルザック高原の影響の方が強い。よって彼等のワインは他のテラス・デュ・ラルザックとは異なり、フレッシュな酸を感じる。この酸に支えられたワインは果実に偏らず、その奥のミネラルを口中に長く残す。『開花時期は一緒だが、下部の畑より収穫が2~3 週間遅れて、例年10 月初め。ハンギングタイムの長さと樹齢(平均42年)が葡萄の個性をしっかり熟成させる』アルコールは14%を超えるが果実とミネラル、酸のバランスで飲み進められる軽さがある。
赤ワインでも飲みやすさを重視していてシラーの攻撃的なタンニンを出さないようピシャージュは最低限しか行わない。樽もほとんど使わない。