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アメリカ、オレゴン州、ウィラメット・ヴァレー
 ジャン・ニコラ・メオ氏はブルゴーニュ地方ヴォーヌ・ロマネ村のドメーヌ・メオ・カミュゼ「Domaine Meo Camuzet」の3代目当主。師匠であるアンリ・ジャイエ氏の教えを受け継ぎながら素晴らしいワインを造り続けています。ジャン ニコラ氏はパリ生まれの都会人で元々はワイン造りではなく経済学などを学んでいました。アメリカにも留学していた時期があり、その時に将来「NICOLAS-JAY」の共同経営者となるジェイ ボバーグ氏との出会いがワイン造りへ情熱を注ぐきっかけとなりました。
 ジェイ・ボバーグ氏はデジタル音楽配信会社の社長で様々なミュージシャンを育て、世に送り出してきました。同時にブルゴーニュの「シュヴァリエ・デュ・タスト・ヴァン」の会員でもあり音楽同様にワインも深く愛し、1983年からオレゴンのワインを飲み続けてその可能性を探ってきました。2011年にウィラメット ヴァレーを訪れた際、この地域が持つ類稀なるポテンシャルに惹かれ、ジャン ニコラ氏と共にワイン造りを始める決意を固めました。
 トレーシー ケンダル女史は米国の太平洋岸北西部生まれ。ワシントン大学で公衆衛生や人類学について学び、ブラジルのスラム街でのボランティア活動を通して様々な経験をしました。その後、カリフォルニア大学でワイン醸造と葡萄栽培の修士号を取得。アメリカを始めオーストラリアやニュージーランドの生産者の元でワイン造りの修業をし、2014年にジャン ニコラ氏とジェイ ボバーグ氏と出会い、彼女の人生は大きな転機を迎えることになります。

 経済学を学ぶためにアメリカに留学中だったジャン・ニコラ氏のクラスメイトにジェイ・ボバーグ氏の妹が居たことが2人の出会いのきっかけでした。彼らはすぐに意気投合してお互いワインへ情熱を傾けることになり、ジャン ニコラ氏はヴォーヌ ロマネに戻ってドメーヌを継ぎました。オレゴンのウィラメット ヴァレーの気候風土がブルゴーニュに共通するものを持っていると感じ、オレゴンワインの将来に興味を抱くようになりました。2012年、長年オレゴンワインの可能性を探っていたジェイ ボバーグ氏からウィラメット ヴァレーでのワイン造りの話を持ちかけられ、ジャン ニコラ氏はヴォーヌ ロマネで培った知識と経験をオレゴンのピノノワールに注ぐことを決意。そしてアメリカを始め様々な地域でワイン造りを経験し、ジャン ニコラ氏&ジェイ ボバーグ氏と同じ情熱と精神を持つトレーシー・ケンダル女史がチームに加わり、ニコラ・ジェイ「Nicolas-Jay」は完成しました。
 ジャン ニコラ メオ氏とジェイ ボバーグ氏は畑を購入するにあたってウィラメット・ヴァレーの200の葡萄畑を訪れて試飲を重ね、2人が1番おいしいと感じたワインが偶然一致。それが現在所有する「Yamhill-Carlton AVA(ヤムヒル・カールトン)」にある「Bishop Creek(ビショップ クリーク)」の畑で造られたワインでした。彼らはそこに約5.5haの畑を購入し、1990年頃に植えられた葡萄を引き継いでオレゴンでのワイン造りをスタートさせました。所有畑は標高80~120mの南西向きの斜面に位置し、土壌は花崗岩で粘土や石がほとんどなく、気候もブルゴーニュより安定しているので病気や花ぶるいが起こることはあまりなく、比較的安定した収穫量とクオリティが望めます。
 ワイン造りはジャン ニコラ氏の指導の下、トレーシー ケンダル女史が中心となって伝統的なブルゴーニュの手法で行われています。手摘みでの収穫後は葡萄が潰れないように小さな容器に入れて醸造所まで運び、必要に応じて選別を行います。5日間の低温浸漬後にステンレスタンクで14日間アルコール醗酵を行い、あまりタニックで重いワインにならないように櫂入れはせず液循環のみを実施。圧搾も軽めに抑えてシルクのように滑らかな舌触りになるよう努めています。その後、フレンチオークで15ヵ月間熟成させてワインに厚みや深みを与え、フィルターとコラージュは行わずに瓶詰されます。
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