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チンクエ・カミーニ
Cinque Camini

空港の荷物受取所で、(自分の)荷物がいち早く出てくるという運には全く恵まれていませんが、ステキな造り手を引き当てる強運は持ち合わせていると自負するオータ、今春のとあるサロンで物凄い造り手と知り合ってしまいました!!僕自身4年ぶりに顔を出したその年のそのサロンが、その造り手にとっては初めてサロンなるものに出展参加した年だったという偶然!美味しいワインはこの世にまあまあたくさんあると思うのですが、造り手&ワインの素性に関して何の情報もない中で試飲して、理性よりも感情や感性に訴えかけられる…言い換えるなら、美味しさよりも何よりもキラリと光る魅力個性に心を一瞬で奪われる、という経験はオータ的にもそれほど多くありません。思い返してみると、この衝撃は2006年にパーネヴィーノのワインを始めて飲んだ時以来…という気がしています。

そんな造り手、チンクエ カミーニ(“5つの暖炉”を意味するのですが、自宅兼ワイナリーに暖炉が実際に5つある事にちなんでいます)は、カラーブリア州の内陸部の町アクリにあり、オッターヴィオ サッマーロ(以下、彼の愛称オッター)というそりゃもう個性的なオッサンによって営まれています。徴兵を逃れる目的で13歳の時(!!)にパリへと移り住むが、10年後に一時帰省からフランスへと戻ろうとした際に国境で捕まり強制送還、そのまま無理矢理軍隊に入れられるもコーヒー(+砂糖?)だけで過ごすというハンガーストライキを敢行、2か月後に放免…このエピソードからだけでも彼のファンキーさの一端が垣間見えるかと。

約20年前から自然(畑)の世話をし、愛することに打ち込むように。献身的な愛情をもって育むべき(農を取り巻く)全ての事柄に対して、最大限の敬意を払いながら大地を耕すことを心がけている。母なる大地からの我々への贈り物とも呼べる、古くからその場所に存在してきたあらゆる生命(動植物、微生物)の居場所や命をむやみに奪うことのない農業を実践することは、私にとってはもはや芸術と呼ぶべきもの。全ては母から荒れ果てた土地を相続した時に始まり、その荒れた土地を愛情と共に耕し始めブドウ畑とし、徐々に別の土地を買い足し、様々な品種のブドウを栽培するように。自然環境と共生、調和を図る農業という純然たる芸術を実現するために、私が畑に人為的にもたらす唯一のものとして、VA菌根菌がある。”

と、比較的意味不明な文章(笑)が届きましたので、もっと詳しく彼の考えを知るべく、先日彼のもとを訪ねてきました。芸術をこよなく愛し、特に音楽に関しては恐ろしく造詣が深く、“美しい”ことのみを重要視しジャンルに囚われることなく聴きまくり、午前中は畑作業、午後は奥さんの経営する薬局で働く日々…。

自生する植物を利用しての草生栽培、微生物環境を守るため耕転は行わず、有機農業での使用が認められているボルドー液等の農薬でさえ「使わないで済むのなら、使いたくない」を信条とし、ベト病やうどんこ病などの症状が出始め、蔓延する危険が高まった場合にのみ、(予防ではなく防除のために)使用するそう。セラーでも、酸化防止剤も含め一切の添加物を使用せず、きわめてナチュラルな醸造を心がけています。

前述のVA菌根菌ですが、植物の根に共生する、土壌中のリンや水などを供給して宿主植物が健全に生育するのを助け、その見返りとして光合成産物である糖類を植物からもらうという相利共生関係を結んで生きる菌類。このVA菌根菌、宿主植物に栄養吸収促進を促すだけでなく、(その植物の)病害虫や干ばつへの抵抗性を高める効果がある事が確認されていまして、オッターはこの菌を地中に供給するだけでなく、ブドウの葉っぱに対しても散布を行っています。農業、ブドウ栽培、ワイン醸造いかなることに関しても、特定の人に師事したことはなく、全て独学で学んだそう…。
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