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クロ・デ・レ・ソレレス
Clot de les Soleresr

2017年夏、スペインを訪問した際に訪れたナチュラルワインサロンで衝撃の 出会いがありました。 スペインで最もhotなナチュールワインが集結したといっても過言でない程のサロンで、出展しているワインは酸化防止剤無添加のものばかり。

 その中でも我々が感動したのは、ピュズラやクリスチャン・ショサールが一世 を風靡したロワールの黄金期ともいえる「柔らかい酸を残しつつ凝縮した果 実の熟感」が表現されたワインの登場に皆が魅了されたあの頃にタイムスリップした気分になる白ワインに出会ったのです。その名はclos de les soleres。

 地中海に面したバルセロナ空港から北東へ50km、ペネデス地区Piera村 に17世紀から家族が代々所有する土地 Ferrer de la Vall があります。 ここPiera村にフィロキセラの被害が拡がったのが1888年。経済的問題や働き手の不足により大部分の畑が放置されてしまいました。それから1970年代から80年代頃まで生産量は徐々に減少し続け、カヴァ生産者たちがすべてのブドウを買い占めるようになりました。

 それから数十年が経過しました。 現当主カルレス・モーラ・フェレールは現状を危惧し、大学で栽培醸造学を学んだ後、2000年に放置されたままの土地にブドウ樹を植えることにしました。2008年にはclos de les soleresのカベルネソーヴィニョンで初ヴィンテージとなる赤ワインが誕生しました。家族の伝統を受け継ぎ、ブドウを育て、収穫、醸造するという昔ながらのワイン造りを復活させたのです。

 畑は約2~3haの森の中にあり、内1haは家庭菜園のように拡がっております。醸造は19世紀に建てられた建造物で今も行っています。畑はビオロジック栽培、醸造では一切の添加物を行わず、自然な状態で発酵熟成を進めます。 味わいは熟したブドウそのままの風味が滲み出ており、懐かしく温かい記憶が蘇ってくるようです。ナチュラルなその味わいはカルレスが目指し実現し続けるワインの味でもあります。
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