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ジョルディ・ロレンス
Jordi Llorens
彼のこれまでの歩んだ道のりとワインの栄誉は世界中のナチュラルワインラヴァ―が認めるところであります。彼の人柄の素晴らしさもまたワイン以上に最も深く人々の印象に残ることも最初にお伝えしなければなりません。(※2015年に日本にノーマが限定でやってきた際、ジョルディのワインはグラスワインに選ばれました。この時以後、コペンハーゲンのノーマでも常にジョルディのワインは使用されています。)
彼の名声に恥じない代理店として、これから皆様へ毎年毎ヴィンテージ、弊社の愛情もさらにボトルに込めまして末永くご紹介させて頂きますことをお約束いたします。尚、今回弊社を通して販売するロットに関しては、ワインダイヤモンズさんの輸入者シールをそのまま使用させて頂いての販売となりますことご了承お願い申し上げます。
彼のワインに初めて出会ったのは2016年初夏。すでにワインを一人換算2本ほど飲んでテンション絶頂で入ったスペインバル。最初に出てきたグラスワイン(赤)を一口飲んで目が覚めたことを昨日の事のようにハッキリと覚えています。なんだこりゃ、、、!?、ジョルディ・ロレンス!?スペイン・カタルーニャ?スペインにこんな美味しいヴァンナチュールがあったなんて! 20代後半に衝撃を受けたまだ若かりし頃の南仏ルネ・ジャン・ダール、ゴビー、ロワールのティエリー・ピュズラとの邂逅のような体験、あの衝撃に再びであうとは。輸入者シールを見てみると"ザ・ヴァイン"と書いてあります。幸か不幸かザ・ヴァインさんがこの前後で会社をたたまれる決定を耳にしていたので、ネット検索でHPを見つけて思い切って彼へすぐにコンタクト、翌日には訪問快諾の返事が返ってきました。ちょうど1 ヶ月後にフランス、スペインへの買付出張が控えていたので、そこに無理やり3時間のスペースをつくり、師匠譲りの突撃訪問です。
全く見ず知らず、取引先でもソムリエでもカーヴィストでもない日本人を笑顔で暖かく迎えて頂いた現地。到着早々畑とセラーを丁寧に案内していただき、樽とアンフォラに眠る全てのキュヴェを1つずつ、ゆっくりと落ち着いた時間の流れの中で一緒に試飲させて頂きました。感謝感激。試飲した全てのワインも鳥肌もの。同行した他のメンバーも初体験のジョルディでしたが、全員が目をウルウルさせながら試飲していたことをよく覚えています。結局、当時は彼を取り巻く様々な事情でザ・ヴァインさんからお取引を引き継ぐことは出来ませんでした。
その後、毎年現地のサロンでジョルディを探しては他愛もない談笑を続けたり、彼の仲間であるヴェガ・アイシャーラとの取引開始で彼らがコラボして造るマグナムキュヴェを取り扱ったり、何度も足を運んだスペインで彼を取り巻く多くのスペイン生産者やクルティエとの縁ができたり、とそういった小さな縁が自然と紡がれていきました。数々の小さな出来事が今回の縁を導いてくれた様な気がしています。
ジョルディ・ロレンス(スペイン語発音だとヨレンス)は、この土地で代々続く農家に生まれました。ジョルディの家族は1779年からブドウだけでなくアーモンドやオリーブなどの作物を作ってきた複合農家。ジョルディ自身はサスティナブル農業に長年熱心に取り組んでおり、現在はオーガニックのオリーブオイルも造っています。
代々受け継がれて来た16ha前後のブドウ畑で一切の化学薬品に頼らない方法でブドウを育ててきたジョルディですが、 ワイン造りを始める以前は
その全てを地元のコーペラティフへ格安で販売し細々と生計を立てていました。ワイン造りをスタートしたのは2008年、この当時は酸化防止剤も使用していましたしstyleは今と180度真逆。現在のようにナチュラルワインへ移行したヴィンテージは2012年からになります。
同じコンカ・デ・バルベラのジョアン・ラモン・エスコーダの影響を強く受けましたが、スタイルはエスコーダがエネルギーの爆発したスタイルなのに比べるとジョルディは彼の人柄同様でより純粋で優しく、静けさの中にエネルギーを感じるスタイルかと思います。
彼の住むブランカフォルト村は、モンブランの町から15kmほど、町から離れた森と丘に囲まれた古くからの小さな静かな村です。ジョルディはこの村で一番の有名人なのは間違い無いでしょう。ちなみにこの土地は2021年1月の寒波で、ブドウ畑は一面雪景色になりました。
畑は村の周りの標高400mから650mの基本的には石灰岩質土壌の6つの異なる場所に合計16haを所有し品種は固有品種であるパレリャーダ、マカブー、ガルナッチャやカベルネソーヴィニヨン、シラーを栽培しています。畑においてもセラーにおいてもビオディナミを実践し、特に畑は周りの畑と比べて一目瞭然の生きた豊かな土壌とブドウの木、そして生い茂る緑を見ることができます。標高の高さゆえの冷涼な気候、地中海への近さゆえの海から注ぎこむ涼しい風、これらは暑い日にも涼しい新鮮な夜が来ることを意味します。ジョルディは土壌の健康、ブドウの木のバランス、そしてワインの中への複雑味を得るため生物の多様性を促進するよう草や花を数多く畑や畑の周りに残しています。
彼のセラーは2008年から17年までは実家の向かい側のとても小さい場所でアンフォラや幾つかのタンクを用いワイン造りをしていましたが、2017年に新しいセラーを近くに作り、主に白ワインに使用する10基の粘土のアンフォラは地下に埋めてありそれはまた圧巻です。
スパークリングワインも造り始めましたのでデゴルジュの機械など年々設備が充実して行っています。只、未だに全てを家族で行っておりボトリングも手作業、ワックスによるキャップシールも妹が1本ずつ丁寧に行うなど依然として手作りには変わりありません。
醸造は至ってはシンプルで自然酵母のみを使用し何も足しません。もちろん濾過のようなプロセスもありません。衛生状態には最も気を使い、果実の純度、優美さ、繊細さ、それに複雑さとデリケートな新鮮さが丁寧なその気遣いを物語っています。
彼を訪れるとまずは畑を、ブドウを見ることからスタートします。健全なのか、問題があるのか、19年のようにカビに襲われ多くのブドウを失った際にも彼はきちんと問題を示してくれます。ジョルディこそは真のファーマーに違いありません。
出会ってからずっと彼の造るワインを毎年追い続けた結果、最も尊敬すべきはその人柄とワイン造りへの姿勢という事に年々気づかされていきました。出会った人々をHappyに、朗らかで優しい気持ちにさせてくれる彼の人柄とワイン達、日本でもお酒を愛する多くの方々に感じてもらいたいと願っています。