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イヴ・ボワイエ・マルトノ
Yves Boyer Martenot

ムルソーにドメーヌを構えるドメーヌ・イヴ・ボワイエ・マルトノは、テロワールの個性と潜在力を最大限に引き出し上質なワインを造る昔ながらの伝統を、4世代に渡り大切に守り抜いてきた家族経営のドメーヌです。

第二次世界大戦後、アンドレ・ボワイエは、それまで女手一つでドメーヌの運営を担ってきた母ルーシーからドメーヌの経営権を相続し、1945年、ムルソー村に隣接するピュリニィ・モンラッシェ村で生まれ育ったジュリエット・ドゥヴェズを妻に迎えます。二人の間に生まれた息子イヴ・ボワイエがやがて家族の事業を受け継ぎ、ムルソー村のワイン生産者の家に生まれたマリー・セシル・マルトノと結婚し、現在のドメーヌ名となりました。現在は、イヴの息子ヴァンサン・ボワイエがドメーヌの当主を務めています。

総面積10ヘクタールの自社畑は、ムルソー、ピュリニィ・モンラッシェ、オクセイ・デュレス、ポマールを含むコート・ド・ボーヌ地区内の複数のアペラシオンに跨っています。1997~2007年にかけて自社畑の拡大を進め、ムルソー・レ・ティレ、ムルソー・プルミエ・クリュ・ペリエール、ピュリニィ・モンラッシェ・プルミエ・クリュ・ル・カイユレといったアペラシオンが新たに加わりました。

葡萄品種とテロワール本来の持ち味と個性を尊重し丁寧に育てることで、極めてクオリティの高い上質なワインに仕上がります。ワインの質を維持するため、手作業による耕作、グリーン・ハーヴェスト、手摘みでの収穫など、機械による介入を抑えた昔ながらの伝統的手法を守り、ラベルにビオデナミの表記はないものの、有機栽培に限りなく近い栽培方法でワインを造っています。

ドメーヌ所在地:ブルゴーニュ/コート・ド・ボーヌ/ムルソー 主要品種:ピノ・ノワール、シャルドネ、アリゴテ
【醸造】:ワインの醸造と熟成のプロセスは、昔ながらの伝統的手法を守っていますが、セラーの醸造設備は、最先端の技術を駆使した最新の醸造設備が整っています。空圧式圧搾機で優しく時間をかけて搾汁し、温度調節機能のついた発酵槽で発酵中の温度は常に一定の温度に保っています。収穫は最も良い状態の葡萄だけを全て手摘みで丁寧に選定。発酵・熟成は、全て新樽を1/3程含むオークの樽で行い、週に一度バトナージュを施しながら最低でも12カ月間かけて発酵・熟成させています。毎年6月には、各アペラシオンのワインが全てタンクに収まり、更に2ヶ月の樽熟成を経て清澄・瓶詰めされます。

父親のイヴは、長年オスピス・ド・ボーヌのムルソー醸造担当者。マルトノは、補糖は最低限、補酸はゼロ、野生酵母で発酵、バトナージュを積極的にし、ノン・コラージュでごくあらいフィルターで瓶詰めしている。スタンダード・キュヴェでは、80ー90年の樹齢のロルモーは、毎年マルトノのフラッグ・シップとなる。イヴ・ボワイエ・マルトノ親子は、樹齢80年を超える、ジュヌヴリエール、シャルム、ペリエールの3大ムルソーの畑を持ち、低収量で良心的なワインを造りつづけている。華々しいスター的な存在ではないものの、毎年誠実そのもののクラシックな味わいのワインを造っている。
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