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メルロー 2020 / アンジェ・イヴァンチッチ
( Merlot / Anze Ivancic ) 9213

  • 赤ワイン
  • 新商品
¥9,790 税込
商品コード: nomal
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産地: スロヴェニア、ブルダービリャーナ
品種: メルロー
赤ワイン
樹齢: 40~55年
アルコール: 15%

厳しく収量制限を行い、限界まで完熟を待ってから収穫。
すべて自身で選別し、梗まで完熟したブドウは除梗せずにマセレーションを行う。
約40日程度、果皮と共に醗酵を行い、醗酵が終わるのを待ってから圧搾。古バリックに移し、24カ月の熟成。
ボトル詰め後、12カ月の熟成。最も収穫が遅く、極限まで完熟したメルロー、果皮由来の香りの幅、果実の複雑さ、そして酸のバランス。
すべてが高次元でバランスを保っているような、素晴らしい味わい。

唯一の黒ブドウであるメルロー。
樹齢は最も古い部分は55年という樹が残っています。
アンジェの中で最も収穫が遅く、果皮、種子、そして梗まで完熟したメルロー。
醸造方法も根本的に白ブドウと同じ、果皮と共に醗酵が完全に終わってから圧搾、熟成は木樽にて24カ月。
「自分は醸造よりも畑での仕事が最も重要だと思ってる。毎年の天候や畑の環境。
ブドウ樹1つ1つの変化をくみ取り、収穫に繋げる方が重要だと持っている」、その話の節々に、彼の師ともいえる存在の言葉を断片的にですが感じてしまいます。
ワインについては、もはや言葉で伝える事も難しいほどの味わいです。
妖艶で熟れ切った果皮を想像できる、厚みある香り。果実はまるでコンポートのようですが、重苦しさは皆無。
酸は丸く柔らかくも太く、口の中を流れる。そしてより深く、複雑に続く余韻、、、、。
訪問した際、リボッラ ジャッラに衝撃を受け、フリウラーノで驚嘆しました。
しかし最後に、そのすべてをかっさらっていくような凄まじい存在感を持ったメルロー。
今まで出会った造り手達の中でも、間違いなく飛びぬけた存在であることは間違いありません。
これほどの若さでありながら、素晴らしい経験を積み重ねてきたアンジェ。
ワイナリーとしてはまだ始まって5年と短く、正式にボトル詰めを初めて3ヴィンテージ目。
それでいて、彼のワインのクオリティは、既にかなりの高次元に到達していると直感します。
こうして出会えたことに本当に感謝するとともに、彼のこれからの成長とワインの進化を、ゆっくりと追いかけていきたいと思います。
輸入元

アンジェ・イヴァンチッチ
Anze Ivancic


スロヴェニア西端、イタリアと国境を隔てる Brda ブルダ、その中心部に位置するビリャーナの町。
イタリア側のゴリツィアやコルモンス、オスラヴィアまで車で10~20分と近く、国は違うものの同じ土壌を持つ「Collio コッリオ」であり、古くローマ時代にはコッリオの中心地として繁栄していたとされる土地。
同じ土地個性、ポテンシャルを持っていても、国を違えるだけでその評価や価値は大きくかけ離れてしまう。当主であるアンジェ・イヴァンチッチは31歳。両親、親族の中に農業に関わる仕事をしていた者はなかったものの、幼い頃より自然や畑での仕事に興味を持ち、農業高校へ進学。
そこで公募していたワイナリー研修制度に申し込みました。その研修先こそフリウリ、いやイタリアの代表する偉大なる白ワインの造り手「Josko Gravne rヨスコ・グラヴネル」のカンティーナでした。
研修期間が終わった後も、そのままヨスコの元で10年以上畑とカンティーナで働いたアンジェ。「ワインを造る上で重要なモノ、唯一の事はすべてヨスコの元で経験してきた。」、そう屈託のない笑顔で語るアンジェ。
自宅の近くにある高樹齢のブドウ畑を2018年より借り、ブドウ栽培、醸造を開始します。
畑は自宅からすぐ近くの約2ha、樹齢は基本的に古く40年以上のものがほとんど。
一部の区画はビリャーナで一番古い58年というリボッラ・ジャッラも残っている畑。
土壌は強烈なポンカ(Ponca:堆積岩が風化した土壌)に覆われており、強いミネラルはもちろん、崩れやすい岩石の間にブドウ樹の根が深く伸び、保水性も非常に高い土壌。
樹齢の古い畑は、グイヨーやコルドーネ スペロナート、広い間隔で植えられており、地表より1mほどの高い仕立て。「この10年で気候も大きく変わった。最近の夏の暑さだと、地表に近いと地面からの熱の影響を受けやすく、必要以上に過熟になりやすい。
古くから行われてきた高い、間隔のあいた仕立ては、空気の通りが良く熱がこもりにくい、湿度も抜け病気になる確率も下がり、ブドウ樹の完熟までに十分に時間を費やすことが出来る」、そう考えているアンジェ。
そして、彼のもっとも特出すべき点でもある、1本の樹から徹底的に収穫量を抑え、樹上での凝縮と完熟を追求。
樹1つあたり4~6房、500g~700gという驚異的な低収量、、。
グリーンハーヴェストで全体の70%程度を落とすという徹底的な収量制限には驚愕の一言。「樹に残るより落とすブドウの方が多いもんだから、近所の農家から『アイツ頭おかしくなったんじゃないか』、ってよく言われるよ、、」、そう笑うアンジェ。
表土は基本的にほとんど手を加えない。
樹齢が古くバランスがとれている事、ブドウ樹の仕立てが高い事もあり、雑草が樹の生育に与える影響は少ないと考えます。
非常に恵まれたポンカに埋め尽くされた土壌に、50年以上の古いブドウ樹、近代的な仕立てではなく伝統的ともいえる土地に見合った仕立て。
そして、そこからさらに目を疑うような激しい収量制限と、果皮・種子の完熟だけでは足りない、その先の「超凝縮」、とでもいうような樹上での完成。
種子まで完熟し茶色く色づいた種子、「収穫前の粒を割ると、果汁がまるで蜂蜜のような粘性を持っているんだ」、そう笑う彼の自然体過ぎるこだわり。
ワイン造りを始めたきっかけから、畑との向き合い方、そしてワイン造りまで。ヨスコ・グラヴネルという偉大なる造り手で構築されたアンジェのフィロソフィ。
醸造については非常にシンプル。収穫したブドウを除梗し開放桶の中で 4~5週間のマセレーション(果皮浸漬)を行いながらアルコール醗酵を終えます。醗酵が終わり、果皮が液面から沈むのを待ちます。手動のトルキオ(バスケットプレス)にて圧搾し、木
樽に移し 24カ月の熟成を行います。
強烈に凝縮したモストは非常に糖度が高いこともあり、非常に緩やかに醗酵が続きます。
アルコール度数も15%を軽く越えるヴィンテージが多く、2020年のフリウラーノは16%にも迫るほど。
しかし、「アルコール度数が高いだけではない、それ以外の要素も同様、いやそれ以上に凝縮しているからこそアルコリックに感じない」、そう考えている彼。
カンティーナの設備や生産量の問題もあり、現在約2年間の樽熟成。
素材のポテンシャルを鑑みれば、将来的にはもっと長い時間を費やすことも考えています。
しかし、現時点でリリースされているアンジェのワインに対して、何か「足りない」と思わされるものは全く感じない、そう本心で思える味わい。
ヴォリューム感や余韻、果実はもちろんですが、ボトルの中の液体の密度、情報量の多さ。
美味しいという言葉だけでは全く足りない、、そう自覚してしまうほどの圧倒的な味わい。
ボトル詰めを始めたのは2018年から。
生産量は僅か3000~4000本には満たない量。
収量制限の話を考えれば、仕方のない生産量だとご理解いただけると思います。
これほどの若さで凄まじいクオリティ、可能性を持っていることは間違いありません。
そして、それ以上に彼と話している中で、完璧というベクトルとは違う、彼自身の愉しみや喜びに満ち溢れているワインであると痛感します。
凄さや偉大さだけではない、人間的な柔らかさと情熱。
彼は今後間違いなく成長していく、、その先に見えるアンジェのワインが、いったいどれほどの存在を放つのか、、、。
期待以上に鳥肌が立つような感覚に襲われます。
フリウリ、スロヴェニアという枠を超えて表現しきる「Brda ブルダ=Collio コッリオ」のポテンシャル。
これから先の時代を担うアンジェの可能性。間違いなく覚えていただきたい原石のような造り手です!

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