ヴァン・ド・サヴォワ・アントレピド・ブラン 2022 / アドリアン・ダカン
( Vin de Savoie Intrepide Blanc / Adrien Dacquin ) 9039
商品コード:
nomal
産地: フランス、サヴォワ、アプルモン
品種: アルテス
白ワイン
樹齢: 6年~17年
土壌: 石灰質・粘土質
マセラシオン: なし
醗酵: 自然酵母で3週間
熟成: 500Lのジャー(炻器)で9ヶ月
ジャケールに次ぐサヴォワを代表する白の土着品種アルテス。
ジャケールよりも早熟でボリュームがあり、味わいがふくよかなのが特徴だ。
2022年は、夏の猛暑と日照りにより成熟がまちまちだったので、全てのブドウが完熟するまで待ったが、なんと収穫直前に猪や鹿などの動物に半分食べられてしまった…。
醸造は、ブドウの持つミネラルを十分に引き出すために、今回新たに購入した500Lのジャー(炻器)を使用。
ワインは、フルーティーでグレープフルーツのような柑橘系の清涼感のある爽やかな味わいに仕上がっている!
アドリアン曰く、今回のアントレピドは、夏の猛暑と日照りにより一時熟成にブレーキがかかり、酸がしっかりと残ったため、結果アルテスらしからぬ上品でスレンダーなワインに仕上がったとのこと。
ジャーで仕込んだ効果もあってか、アフターに収斂にも似たはっきりとしたミネラルが余韻に残る!
飲んでいて全く疲れがない、まるでフルーティーなアルテスと酸がシャープなジャケールの良いところを取ったような最高に心地のよいワインだ!
色合いは若干濁りのある淡いレモンイエロー。
レモン、グレープフルーツ、ニワトコの花、潮の香り。ワインはフレッシュ&フルーティーで勢いがあり、グレープフルーツのような柑橘のエキスに爽やかな酸、鉱物的で滋味深いミネラルがきれいに溶け込む!
収穫日は9月17日とブドウが早熟だった!収量は猪と鹿の被害により20hL/haと減収だった!残糖2g/L以下の辛口!
今回はミネラルを引き出すために新しくジャーを使って醸造した!ワイン名Intrépideは「大胆不敵、勇敢な」という意味があり、息子の性格と急傾斜の畑のイメージとを重ね合わせてこう名付けた!
別称にEmery(エムリー)と長男の名前を付けている!
SO2無添加!ノンフィルター!
アドリアン・ダカン
Adrien Dacquin
オーナーのアドリアン・ダカンは、祖父の代から続くビオブドウ栽培農家で育つ。
大学を卒業後、製図師として地図の製作会社に勤務する傍ら、父親の畑仕事を手伝いながらブドウ栽培を独学で学ぶ。
2012年、初めて個人消費用のワインを仕込み、それ以降醸造にも興味を持つ。
2017年、ジャン・イヴ・ペロンに出会い、彼をきっかけにヴァンナチュールの世界に目覚め、同年13年間働いた地図の会社を退職し、3.5haの畑を取得して小さなドメーヌを立ち上げる。
ヴァンクゥール初登場のアドリアン・ダカン。
ジャケールの畑のすぐ目の前にはサン・タンドレという湖、そして、遠くに見える雪山は2000m~3000m級の峰が連なるベルドンヌ連峰、さらに左に構えるどっしりとした山は、トム・ド・サヴォワ(トム・ド・ボージュ)で有名なボージュ山塊、これら壮大な景色が目の前に広がる。
このジャケール畑のブドウは、今回リリースするキュヴェで言えば、アプルモンとオリジンに使用されていて、平均樹齢は60年、アドリアンの祖父が植樹したものだ。
畑は傾斜が非常に激しく、運動靴を履いてもグリップが効かずズルズルと滑り落ちるくらいの角度がある。
この上から下まで150mほど距離と100mほどの高低差がある畝をアドリアンはほぼ機械を使わず、散布、鍬掛け、収穫と、全て手作業で行っているから本当にスゴイ!
次に、彼がこの畑で使う唯一の機械という例で見せてくれたTreuil(トルィユ)と呼ばれるウインチ。
彼は、このトルィユを主に土起こしを行なう時、そして、年一度の収穫の時のケースを運ぶ時に使用するそうだ。
トラクターの後ろに装着し、モーターの回転動力を利用してワイヤーロープを巻き上げる。
「これで土起こしをしていると幼い頃を思い出す」と彼は言う。
「幼い頃の私は、遊び場と言えばいつもこの畑だった。父の作業について行くのが毎日の日課で、特に父がこのトルィユを使って土起こしする作業が大好きだった。
なぜなら大きな鍬にこのトルィユを付けて下から引っ張り上げる時に、父が鍬の上に乗りまたがるのだが、その時に私も一緒に乗せてくれて、それがまるで遊園地で遊んでいるようで本当に楽しかった!」と、今じゃとても危険で考えられないというジェスチャーをしながら楽しそうに語ってくれた。
とにかく、彼にとっては、年を取った今でも畑が遊び場であって、実際、散布や手動の鍬掛けなど肉体的にハードな仕事も体を鍛えるスポーツのひとつという認識だ!