バルベーラ・ダスティ・ バロルド 2021 / ラ・カッシネッタ
( Barbera D’Asti Baroldo / La Cascinetta ) 9004
商品コード:
nomal
イタリア、ピエモンテ DOCG
品種: バルベーラ 100%
樹齢: 12年
赤ワイン
アルコール度: 14.5%
バルベーラ 100%、樹齢12年。収穫後果皮と共に3週間の醗酵。
圧搾後ステンレスタンクに移し、酸欠状態にならないようこまめにオリ引きを行いながら12か月の熟成。
収穫量を落とし、樹上にて完熟するまで収穫を遅らせたバルベーラ。
果皮の熟成した強い香りと詰まり切った果実味、しかし、決して酸を失わないこうバランスの魅力的なバルベーラ ダスティ。
技術的な「旨さ」は皆無、素材のクオリティのみで勝負する、その味わいを感じられる、稀有なバルベーラです!
初めての入荷となるバルベーラ!
ルケに比べて畑の面積が少なく、ジャンカルロの異常ともいえる収穫量の少なさもあって、、。
なかなかお目にかかれないバルベーラ、今年は何とか入荷することが出来ました!
バルベーラの畑は0.5haと確かに少ないのですが、一般的に考えれば3000~4000本程度は余裕でボトル詰め出来ると思うのですが、、。
ステレオタイプな栽培や収穫を嫌うジャンカルロ。
「収穫のタイミングは、まだ見極めるのが難しいんだけれど、周囲の人が十分に完熟した、と言ってから更に1週間~10日待ってから収穫する」、という彼。
2021は雹や遅霜の影響で、さらに収穫量が少なかったこともあり、ボトル詰め出来たのは僅か600本程度という少なさ、、、。
それでもジャンカルロ、「量を造る事はハナから考えてない。自分が求めるブドウ、収穫に妥協したくないし、納得したものだけをボトル詰めしたい」、と言い切ります。
非常に凝縮した 2021年、しかしアスティのバルベーラらしいフレッシュな果実味と染み出すような酸は健在です!
まるでプルーンのように熟れた果実と口内に溢れる甘酸っぱい旨味、もう堪らない味わい!
エチケットはかなり不吉ですが、、ある意味それだけの破壊力のあるワインであることは間違いないと思います!!
ラ・カシネッタ
La Cascinetta
アスティの北東に位置するカスタニョーレ モンフェッラートの町。
この土地に残る地品種である黒ブドウ「Ruche ルケ」、DOCGを取ったことで一時期話題を集めましたが、生産地域は小さく、ルケを栽培・醸造している造り手は極僅か、希少なエリアでもあります。
当主であるジャンカルロ ボルトリンはトリノ近郊で生まれ育ちました。都会での暮らしよりも、自然の残る
環境、農業を営み暮らしてゆくことを夢見た彼は、2007年のヴィアリージの土地、放棄されていた小さな家と3ha のブドウ畑を手に入れました。
2009 年にルケ、バルベーラ、グリニョリーノを植樹、2013年より徐々にワイン造りを始めました。
農業やワイン造りは素人だったジャンカルロ、「自分たちが暮らし、作り、食べる。土地に根付いた暮らしをしたい」、という強い想いがあり、畑では一切の薬品や化学肥料を使用せず。
ブドウ畑で唯一、銅と硫黄物を最低限使用する農業を続けてきました。
醸造については当初、全くの素人だったこともあり、近所の生産者にエノロゴとして手伝ってもらっていたというジャンカルロ。
しかし、酵母添加や温度コントロール、現代の醸造技術で造られた自分のワインに「(自分で育てた)ブドウの味がしなかった」と、感じた彼はエノロゴの反対を押し切り、2015年より独学をベースに一切のコントロールをしない醸造方法に切り替え始めました。
約3haのうち、2haを占めるルケ。
土壌はカスタニョーレ周辺に多く見られる石灰質、粘土質、砂質が混ざり合い場所により、マーブル上に土の色が分かれた緩やかな丘陵地。
標高は250m、近年の温暖化、猛暑の影響を受けにくく、北東向きの斜面を好んで植えられたブドウ樹。
畑ではクローバーやマメ科の植物の種をまき、緑肥としている以外加えるものはなく、銅と硫黄についても極僅か、最低限しか使用しないこだわり。
そして何より最も特出すべきは、ブドウの収穫量の少なさ、そして完熟まで待ち続ける強い忍耐と意志。
DOCGで認められている9t/ha に対し、彼の収穫量は3.5~4t/haという少なさ。
そして果皮、種子まで完全に成熟するまで収穫を遅らせる徹底的な覚悟。
結果的に、超熟成したルケは、糖度が高すぎて潜在アルコール度数が15%を軽く超えるほど。
この超凝縮したルケは果皮と共に約2週間、緩やかに醗酵が進み、これほどの糖度、アルコールであっても、今まで醗酵が途中で止まった経験はほとんどないと話すジャンカルロ。
「収穫したブドウからは、完熟したブドウの香りの他に、強い酵母の香りがあふれてる」、という話に、ブドウの質の高さが想像できてしまいます。
非常に香りに特徴を持つルケ、その特徴を美しく表現する為に醗酵が終わった後、オリの状態を敏感に見極め、こまめにオリ引きを行う彼。
その回数の多さに、むしろ酸化のリスクを心配してしまいますが、「嫌気的な環境よりも活発な酵母、健全なアルコール、整った環境があれば、酸化を恐れる理由が俺にはわからない」と、一蹴されてしまいました。
カッシネッタのワインを支えているのは、経験値でも醸造テクニックでもない、溢れんばかりの素材(ブドウ)への信頼感。
久しぶりに出会う、裏表のない情熱と強い意志を持ったジャンカルロ。
ワインとしてはまだ粗削りな面も多いですが、それを補って余りある素晴らしい味わいと魅力的なルケ。
ぜひ一度お試しいただきたい造り手です!