ヴィトフスカ・セイセッテ「67」 2020 / スケルリ
( Vitovska 67 / Skerlj ) 9052
商品コード:
nomal
イタリア、フリウリ
品種: ヴィトフスカ
白ワイン
アルコール度: 13.5%
ヴィトフスカ、樹齢10~15年、2003年に植えたアルベレッロの畑より選別したブドウのみを収穫。
除梗し、カルソの石灰岩の塊をくりぬいて作った「石樽」の中で、果皮と共に醗酵。
そのまま12か月間果皮と共に熟成。
圧搾後、オリ引きを行い大樽へ移しさらに12か月の熟成。
ボトル詰めの際にごく僅かにSO2を加える。
ブドウが育った土地そのものである石灰岩の容器で醸造することで、よりブドウに余分な要素を加えないという発想から生まれた、特別なヴィトフスカ。
柔らかく繊細でありながら奥行きの深さ、そして余韻の長さには驚嘆させられる凄味のある味わい。
ブドウの持っている要素、表情を生かし、不必要な要素を削り取る、、。
マテイが植えた「アルベレッロ仕立てのヴィトフスカ」より選抜した、果皮の厚いブドウを、除梗し石灰岩の容器の中で醗酵。
その後も圧搾は行わず、翌年の収穫時期まで果皮と共に熟成の状態を保つ。
圧搾を行った後、残り1年間は大樽に移し熟成。「石灰岩のタンクは醗酵・熟成の過程で、大樽とは全く違う。普段から酸の高いヴィトフスカ、そして果皮と長いマセレーション(果皮浸漬)をすることで生まれるタンニン。
それが石灰岩のタンクの中では酸がとても丸みを帯び、タンニンも柔らかくなる、、まるでタンクが【食べる】のような感覚」。
通常のヴィトフスカとは明らかに異なるサイズ、初めのインパクトよりも奥行きの深さ、味わいの複雑さ。香りも非常に繊細でありながら深い。
口から全身に染み込むような感覚は、通常のヴィトフスカにはない部分かもしれません。
もちろん果皮まで完熟し、よりポテンシャルのあるブドウ選別したという違いはありますが、それ以上に醗酵&熟成の容器の存在感、そして通常のヴィトフスカが3週間に対し、こちらは12か月という非常に長いマセレーション。
強さや雑味など、余計なものをすべて取り切った、澄み切った液体という表現がしっくりきます。
マテイ曰く、「手法はもちろん大切だけど、(12 カ月のマセレーションに)耐えうるポテンシャル、引き出す要素があるブドウを収穫することが一番重要」。
今回で 2度目のリリースとなる 67、私自身ヴィトフスカのポテンシャルに正直心の底から驚かされた、素晴らしいワインであることに間違いありません!
スケルリ
Skerlj
同じフリウリでありながら、ダミアンとは全く異なる地質環境と個性をもつスケルリ。「Caroカルソ」と呼ばれる、強烈な石灰岩に覆われた、表土がほとんどない特殊すぎる土地環境。
コッリオのように、強いミネラルと果実(糖分)を両立する自体、不可能と言っても過言ではない土地。
ミネラルは豊富でも果実味が足りない、そして非常に酸の強いカルソのワイン。「それこそがカルソの個性だ!」、、、なんて固定観念に支配さ れている造り手が多い中、その「壁」を越えようとする数少ない造り手であるスケルリ。
「この土地でミネラルを持ったワイン、酸を持ったワインを造るなんて簡単なことさ。それよりもカルソで果実味豊かなワインを造ることの方が何十倍も難しい。だから僕は、カルソの土地個性を持ちながらも、ヴィトフスカやマルヴァジーアの果実味を持ったワインを造りたい!」、そう話していた当主のマテイも今年で40歳。
近年の彼のワインは、出会った当初のような「果実的で柔らかい」ワインから、少しずつ酒躯や奥行き、「偉大さ」をもったワインに変わりつつある、そう感じてきました。