サン・ロマン・ブラン・コンブ・バザン 2021 / シャソルネイ
( Saint Romain Blanc Combe Bazin / Chassorney ) 8956
商品コード:
nomal
フランス、ブルゴーニュ、サン・ロマン
品種: シャルドネ
白ワイン
樹齢: 23年~91年
土壌: 粘土質・石灰質
マセラシオン: なし
醗酵: 自然酵母で3ヶ月
熟成: 卵型セメントタンク17hL、7hLで11ヶ月、ステンレスタンクで4ヶ月
色合いは透明感のある淡い黄金色。
焼きリンゴ、ヘーゼルナッツ、ライ麦パン、みりんの香り。
ワインはピュアかつ完熟したエキスが凝縮していて、塩気のあるチョーキーなミネラルと重心の低い酸が複雑に重なり骨格を形成する!
収穫日は2021年9月30日。
収量は15hL/ha!区画はコンブ・バザンの中でも上方に位置する。
2009年の地質調査でコンブ・バザンはモンラッシェと同じ地層にあることがわかった!
畑面積は2.5ha。ピュアな味わいを引き出すため卵型セメントタンクを使用!
≪2021 年の特徴≫
2021年は、ブドウが晩熟で、春の遅霜と病気の蔓延、雹の被害の三重苦に見舞われたとても厳しい年だった。
かのロマネ・コンティが「過去5 年間の中で一番収量の少ないミレジムだった」と言うように、特に、プルミエ・クリュ、グラン・クリュクラスの集まるコート・ドールの丘の中腹が霜の影響で収量を大幅に落とした。
その後も、雨の多い不安定な天候によるミルデュー、オイディオムの猛威、冷夏、そして極めつけは8月末にサン・ロマン周辺を襲った雹など、ブドウ栽培は全てのレベルにおいて混沌としていた。
近年の中では、2012が最も不作の年だが、更なる減収だった。
9月に入っても雨天が続いたが、徐々に回復し、幸運にも収穫日はほぼ全ての日程が好天に恵まれた。
ただ、霜や病害の被害を受けたため、ブドウは厳格な選果が必要だった。
ブドウの品質においては、白赤共に酸が多く、また収穫を待つことができたおかげでフェノールもしっかりと熟した。
雨の多かった2013年にも通じるが、日照量が少なかった影響もあり、ブドウは酸化にとても敏感だった。
そのため、熟成の際のタンクの密閉には細心の注意を払った。
ワインの特徴について、2020年が太陽からのエネルギーを受けたボリューム豊かなワインだったのに対し、2021年は、大地からのエネルギーを受けた涼しい酸とミネラルが豊富なワインに仕上がっている。
フレッド自身、2021年を「アルコール度数が低くエレガントで酸のある、かつての良きブルゴーニュを想起させる」と評し、白は、涼しい年の「2012年、2013年」、そして赤は「2012年、2016年」を彷彿させると語る。
共通点は、いずれもブドウが楽に育った年ではなく、厳しい気候に対峙しそれを乗り越えた、生産者にとってとても思い入れの深い年、まさに「生産者の記憶に残る年」と言えよう。
ドメーヌ白
2021年は、ドメーヌ創設以来最も厳しい年だった。
春の遅霜とブドウの病気の蔓延によりオークセイ・デュレスは全滅。
サン・ロマンは、霜と病気に加え8月末に雹が降り、収量は70%減だった。
ただ、残ったブドウは、終盤フェノールが熟すのに十分な好天に恵まれたことと、少ない房にエキスが集中したこともあり、最終的に酸を多く残しながらアルコール度数13%まで持って行くことができた。
醸造はいつも通り卵型セメントタンク、クヴェヴリの2つに分けて発酵・熟成を行なった。
クヴェヴリは発酵がスローペースだったので、発酵中はほとんどタンクの蓋を開けずに酸化に気を遣った。
出来上がったワインは、エキスに完熟味があり複雑で、アタックからフィニッシュまでの流れが良く、重心の低い酸と徐々にせり上がるミネラルが心地よい味わいに仕上がっている。
前年と同じく、クヴェヴリは卵型タンクの熟成よりも酒質が柔らかく、より味わいが馴染んでいる。
2013年にも通じるが、ポテンシャルがある反面、色合いの変化など酸化に敏感な面があり、早めに熟成を楽しめるミレジムとも言えるだろう。
シャソルネイ フレデリック・コサール
Chassorney Frederic Cossard
現オーナーであるフレデリック・コサールが自らドメーヌ・ド・シャソルネイを立ち上げたのは1996年。
当時、ワインとは無縁の酪農の家系で育ったフレデリックは、厳格な父親の影響の下、家業を継ぐために ENIL(国立乳産業学校)で乳醗酵を学ぶ。
学校を卒業後、父親の命令で、ボストン近郊にある乳製品会社Bongrainに 2年間の研修予定で無理やりアメリカに旅立つも3週間でフェードアウト。
その後、家業を継がないことを決めた彼は、父の下を離れ以前から興味のあったワインの世界に裸一貫で飛び込む。
その時、23歳だった彼は、ボーヌとサヴォワの醸造学校でワインを学び、最小限の投資でクルティエの仕事を始める。
何も伝のない中、紙と鉛筆と電話と車だけで片っ端からブルゴーニュのドメーヌの門を叩き、粘り強くワインの交渉に当たり次第に顧客の信用を勝ち得るようになる。
途中、ニュイ・サン・ジョルジュのネゴシアンでワインのブレンドを担当しながら10年間クルティエ業を勤める。
その間、「ブルゴーニュのワインは全て飲み尽くした」という彼は、自らの理想のワインをつくるために、ドメーヌ立ち上げを決意する。
1996年、彼は義理母(当時)と一緒に念願のドメーヌを立ち上げる。
2005年、新たにワイン醸造所を建設し、その翌年にネゴシアン・フレデリック・コサールをスタートし現在に至る。
現在、フレデリックは10haの畑を5人で管理している。( 繁忙期は季節労働者が数人手伝う。)
彼の所有するブドウ品種は、ピノノワール、シャルドネ、アリゴテで、樹齢は若いもので8年。
平均樹齢が50年で、古樹になると樹齢が80年に達する。彼の提唱するVin Vivant (活きているワイン)をいつかグランクリュで表現することを目標にしながら日々探究に絶えないフレデリック。
2000年から畑のプレパラシオンに病気の耐性を強化するホメオパシーを取り入れ、ブドウの活性化を図る。
醸造面でも、粒単位での選果、SO2無添加、ノンフィルター、徹底した温度管理、地中カーヴの増設など、大胆でありながら繊細にして努力家の彼は、良い品質のワインをつくるために支払う代償は全く惜しまない。