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ヴィノ・ビアンコ 2015 / ヴァルテル・デ・バッテ
( Vino Bianco / Walter de Batte ) 8574

¥7,040 税込
商品コード: nomal
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イタリア、リグーリア州ーラ スペツィアーリオマッジョーレ
品種: ヴェルメンティーノ 80%、サンジョヴェーゼ 20% 
白ワイン
樹齢: 30年

ラ スペツィア近郊の畑。早熟なサンジョヴェーゼは収穫後、直接プレス。
完熟を待って収穫したヴェルメンティーノを除梗して加え、約4日間果皮と共に醗酵。
圧搾し醗酵が終わったタンクに、他の白ワインのオリを加えて12か月の熟成。
オリを加える過程を 2020年まで繰り返し、約5年間オリと共に熟成を行ったワイン。
土地由来のミネラル、塩味を持ったヴェルメンティーノにサンジョヴェーゼ由来の酸と軽いタンニン。
オリ由来のうま味。
仰天の手法により生まれる、複雑さとエレガントさを持ち合わせた、魅力的な白。

今回実験的に造られた白が届きました。
昨年カンティーナで飲ませてもらい、衝撃を受けたワインだったのですが。
事の発端は、知り合いの所有する樹齢の高いヴェルメンティーノの畑。
2013年より栽培・醸造を頼まれていたヴァルテル。
畑の自然環境を整え、収穫量を抑えたヴァルテル流の栽培によって、非常に凝縮したヴェルメンティーノ。
結局2015年まで3度の収穫・醸造を行ったものの、当の持ち主が途中で畑を売却してしまったため、2015年はボトル詰めを行わない事態。
そこでヴァルテル、2015年のブドウを買い取り、混植していたサンジョヴェーゼも直接プレスし、ヴェルメンティーノと共に醸造。
そして、カンティーナに残っていた 2020年までのアルモジェ、アルトローヴェ、サラデーロのオリ(オリ引きの際に取り除いた部分)を加え、タンクの中で60カ月の熟成。
瓶内で12カ月の熟成を行ったという、なんともややこしいワインが出来上がりました。
「チンクエ テッレのエリアにあるヴェルメンティーノとサンジョヴェーゼ、黒ブドウを白ワインとして醸造することで、黒ブドウ由来の鋭くも繊細なタンニンを持つ。さらには毎年元気なオリを足し続ける事で、酸化を恐れずにフレッシュな状態を維持しながら熟成を続けられた」、そう話す彼。
根本的に畑も少なく、収穫量も抑え高品質なブドウを収穫する一方、オリでさえも無駄にはできない厳しい現実があります。
それでも諦めず、その中でいかに良いものを生み出すか。
常に追求を続けるヴァルテル デ バッテ、飾りっ気のない白いエチケットに「Vino Bianco」という、シンプル過ぎる名前には彼の正直さが垣間見えます。
ヴェルメンティーノのアロマは、チンクエ テッレを感じる強いミネラルに締め付けられ、個性的で軽快なタンニン。
そこに強い旨味と塩分を感じます。乾いた酸、香りはあるが決して華やかさだけではない硬質さ。想像しがたい難解な醸造方法とは対照的に、美しくエレガント。実験的なワインではありますが、アルモジェやサラデーロとは全く異なる魅力、ぜひ試していただきたいワインです!

ヴァルテル・デ・バッテ「プリマテッラ」
Walter de Batte [Prima Terra]


チンクエテッレという枠を超えた、壮大なる土地の表現。
リグーリア東部、ラ スペツィア近郊。チンクエ テッレと呼ばれる地中海に面した5つの町。
近年世界遺産に登録されたことでも注目されましたが、ワイン造りの歴史は古く、1100年代にはブドウ栽培・ワイン醸造の記述も残る、歴史ある土地。
平地がなく、土地も痩せている。人々は急斜面の固い岩盤を砕いて石垣を築き、岩盤を砕いた際に出た砂を土壌としてブドウ畑を作るという非常に過酷な環境。それでも、潮風とミネラル豊富な土壌から生まれるブドウ、ワインは中世の時代より価値を見出され、希少なワインとして評価されてきました。ワインを造るだけでも貴重といわれる環境の中、薬品類や肥料に頼るのではなく、自然環境を尊重し、土地、ブドウ樹の自然バランスを尊重したブドウ栽培を行っている。さらに言えば、ただでさえ希少なブドウであるにもかかわらず、そこからさらに収穫量を抑え、果実の凝縮、完熟したブドウから表現されるチンクエテッレの個性。僅か0.7haの畑から収穫、ワインとして出来上がるのは僅か2000~3000本あまりの少なさに絶句してしまいます。

一切妥協のない栽培・醸造哲学により生み出される彼のワイン。当時の時点で唯一無二のチンクエ テッレとして評価されていたにも関わらず、2007年を最後にDOCから離脱。「自分が造りたい、表現したいのは土地≪テロワール≫としてのチンクエ テッレ、名前や肩書に左右されるものじゃない」。これまでの栄誉や肩書きをすべて捨てこれから先の可能性を追求するべく、「Primaterra」としてゼロからのスタートを切ったヴァルテル。一つのワインから、土地を表現する。それだけではなくもっと幅広い世界観を表現しようというヴァルテル・デ・バッテ。これまで以上の独自性を感じつつも、それを十分に感じさせる味わい、凄まじいポテンシャルを秘めたワインです。

白ブドウはブドウ品種によって収穫時期が大きく変わります。共通して言えるの は樹上にて十分成熟するのを待ってから収穫。果皮の弱いヴェルメンティーノや アルバローラは9月末~10月初。ボスコは10月末まで分厚い果皮が完熟するのを待ちます。果皮と共に約1週間弱、野生酵母による醗酵を促します。圧搾したタイミングでアッサンブラージュ。その後、オリと共に24ヶ月シュール=リーの状態で熟成。醗酵が終わりきる前に合わせることで、ワインとしてより一体感を得ることができる。そして醗酵の過程でオリに移った要素をすべてワインに戻すためのシュール=リー。オリに問題が起きなければ、アッサンブラージュからボトル詰めまで、一度もオリ引きを行わないといいます。ブドウ自体のポテンシャルの高さはもちろんですが、これほど長いシュール=リーに耐えるだけのバランス感。「早い段階でアッサンブラージュすることで、醗酵の最期を一緒に終えることができる。それはワインに一体感を生みだす。そして、長い期間オリと触れることでオリ由来の味わいや複雑味、香りをワインの戻すことができる。

最も可能性を感じているグラナッチャとシラーより造られるÇericòセリコ。海に切り立った標高500mの土地に2001年に植樹。グラナッチャにとって必要不可欠な海からの風と、昼夜の気温差をもった特異な環境にて栽培。ゆっくりと 成熟する果実を収穫するのは早くても10月中旬以降、長い時間をかけて熟成した果実のみを収穫。そして成熟した果皮を存分に表現するため、果皮と共に60日~70日に及ぶ醗酵、そして木樽にて約36か月の熟成。一つのワインを造るために、これほどこだわった栽培哲学、醸造からリリースまでに費やす時間、すべてにおいてケタ外れのワイン。非常に個性的な香り、果実の密度は白に負けずに高く濃密でありながら、柔らかみ、バランス感を決して失っていない。繊細さ、奥行きの深さを感じるワイン。

過酷な環境、限られた土地。チンクエテッレという名前だけで希少かつ高価といわれる現実に逆らい、VdTとして徹底した栽培・醸造、ブドウへのこだわりによって生み出されるヴァルテル・デ・バッテのワインは、味わいを含めそれ以上の価値を持った 素晴らしいワインです。リリースされるワインの少なさは常軌を逸しているレベル。リグーリアを代表する「唯一無二の造り手」といっても過言ではないでしょう。

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