イタリア、フリウリ
品種： ヴィトフスカ　白ワイン
アルコール度： 12%

収穫後、開放式の大樽にて3週間、果皮と共にアルコール醗酵を終える。圧搾後も大樽にて18か月、ボトル詰め後30か月の熟成。 結実不足が功を奏し、非常に凝縮した収穫を迎えた2016。カルソでは得難い果実の密度の高さと土地由来の骨格。これまでのワインより１つ階段を上ったかのような「偉大さ」の片麟を感じる素晴らしいヴィトフスカ。

「ヴィトフスカの個性は酸とミネラル」、そんな言われ方をされてしまうブドウですが、それはヴィトフスカの本性を表現できていないだけ。ヴィトフスカは繊細さや奥行きといったワインの体格をもつ、リボッラジャッラのようなブドウだと感じるんだ」、そう強く話していたマテイ。マルヴァジーアのような華やかさやアロマではなく、余韻の長さ、奥行きを持った、いわゆるカルソで最も重要なブドウ。春先の雨、夏の猛暑、そして秋の長雨と、、「ジェットコースターのようなヴィンテージ」と呼ぶ 2016年。収穫量は激減したものの、自発的な超凝縮を見せた年。今までのスケルリには、感じられななかった、果実と酸、ミネラルが高次元でバランスした素晴らしいヴィンテージ。前回の2015も、果実的には大きな印象でしたが、今回の2016年は全体のサイズが一回り大きくなったと感じます。繊細でいて硬質、柔らかさと余韻の深さ、これまでのスケルリにはあまり感じえなかった「偉大さ」をも感じる、素晴らしい味わいを持っております！

スケルリ
Skerlj

同じフリウリでありながら、ダミアンとは全く異なる地質環境と個性をもつスケルリ。「Caroカルソ」と呼ばれる、強烈な石灰岩に覆われた、表土がほとんどない特殊すぎる土地環境。
コッリオのように、強いミネラルと果実（糖分）を両立する自体、不可能と言っても過言ではない土地。
ミネラルは豊富でも果実味が足りない、そして非常に酸の強いカルソのワイン。「それこそがカルソの個性だ！」、、、なんて固定観念に支配さ れている造り手が多い中、その「壁」を越えようとする数少ない造り手であるスケルリ。
「この土地でミネラルを持ったワイン、酸を持ったワインを造るなんて簡単なことさ。それよりもカルソで果実味豊かなワインを造ることの方が何十倍も難しい。だから僕は、カルソの土地個性を持ちながらも、ヴィトフスカやマルヴァジーアの果実味を持ったワインを造りたい！」、そう話していた当主のマテイも今年で40歳。
近年の彼のワインは、出会った当初のような「果実的で柔らかい」ワインから、少しずつ酒躯や奥行き、「偉大さ」をもったワインに変わりつつある、そう感じてきました。