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VdF ル・ヴィラジョワ・ルージュ 2015 / ラ・クーレ・ダンブロジア
( Le Villageois Rouge / La Coulee d’Ambrosia )

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産地: フランス、ロワール
品種: カベルネ・フラン 赤ワイン
アルコール度: 13%

非常に残念ではありますが、ジャン・フランソワは2018年の醸造を最後とし新たな道へ進むことを決め、現在1.9haとなった畑はシリル・ル・モアンに貸しているそうです。今後、生産者として戻ることがあるかどうかは分かりませんが、未だタンクや樽に入っているワインが多くありますので、状態が整えば数年のうちに徐々にリリースされることでしょう。この先も見守って頂ければと思います。

ややくすんだガーネット色。2015年は暑い年だったため醸造後数年は色素が強くパワフルな味わいのワインだったことが、約5年の熟成による柔らかな味わいだけではなく色合いの変化からも感じ取ることができます。
2018年の冬にシェネのカーヴで試飲した際は、まだ硬さやアニマル香などを感じましたが、現在はそれらのネガティヴなニュアンスは全く感じられず、こんなにもしなやかで上品な雰囲気が醸しだされるものかと驚いています。自分の納得がいく状態まで待つシェネのこだわりと忍耐力には頭がさがる思いです。グレナデンのような赤い果実主体にやや黒系果実の充実感のある果実香が加わります。滑らかな口当たりで熟した赤すぐりやフランボワーズを噛んだ時のようなキュッと締まりのある酸と、凝縮した果実の風味やその甘さを想わせる風味が広がります。酸は若干揮発的ですが風味の豊かさがほどよく舌に残り嫌味なく感じられ、逆にボリュームを引き締めているように感じられます。熟成により骨格を与える黒系果実のエキス感に赤い果実の繊細さが加わり、軽やかな飲み心地でエレガントな様子が引き出されており、果実味と熟成由来の複雑さの両面が共存する味わいです。この先の熟成も十分に耐えうる力を持っていますので、より深みや品格が増していくことでしょう。

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