バローロ・ブリッコ・デッレ・ヴィオーレ 2008 / マリオ・マレンゴ
( BAROLO BRICCO DELLE VIOLE / MARIO MARENGO )
商品コード:
僅か0,38haの小さい畑から出来る単一畑のバローロ。
醗酵はステンレスタンクで行い、熟成はフレンチ・バリック。
新樽率は30% 年産約2800本
優しくエレガントなラ・モッラ
マリオ・マレンゴは1899年からボトリングを開始。現在でも総計3.5haという僅かな所有畑からブルナーテ(5000本)を中心にブリッコ・ヴィオーレ(2800本)と1940年に植樹された70年以上の樹齢を誇る貴重なワインであるヴェッキア・ヴィーニュ・ブルナーテ(年産1000本)の3種の単一畑バローロに加えて1999年に植樹されたバローロ(3000本)も造っている。全ての畑はラ・モッラに位置していて畑名の入っていないバローロでさえも非常に優れた区画に位置している。ネッビオーロ・ダルバはロエロの畑から造られる(3000本)。バローロに比べればシンプルな仕上りだがマレンゴらしさを感じさせる清涼感溢れるワイン。更にはカスティリオーネ・ファレットに位置する畑から産するバルベーラ・ダルバ・プニャーネ(3800本)はネッビオーロにも通ずる繊細さを持つ。55年樹のドルチェット・ダルバ(1500本)も粗野な印象は全くなくシルキーで柔らかい完成度の高いワインに仕上がっている。ブルナーテからドルチェットまで、畑仕事からボトリングまで一切妥協の無いワイン造りをしているのがワインから伝わってくる。
まわりの造り手が羨む健康な土壌
畑ではできる限り薬品に頼らない葡萄樹の育成に努めていて、防虫剤や防カビ剤は基本的には使わない。全ての畑で除草剤も使わず、雑草との共存によって葡萄樹は生育に必要な栄養素及び水分を求め、まっすぐ地中深く根を伸ばす。葡萄樹が若い場合や化学肥料に慣れている葡萄樹は雑草との競争に敗れてしまうこともあるそうだが、マレンゴの畑ではその樹齢の高さと長年の自然な畑環境に順応している為、葡萄根は地中15m以上まで根を伸ばし、色々な地層からの栄養を吸収することとなる。近年の温暖化に対してもこの深い根は役立っていて暑く乾燥した夏も地中深くの水分を吸収することができるので灌漑の必要も全くないのだそう。もう1つの利点は必然的に収穫量が減ること。房数は減り、より凝縮した健全で強い葡萄の収穫が可能になると言う。3代に渡って受け継がれているマレンゴ家のワイン造りへの拘りは2001年にマリオ氏が亡くなったのを機に息子であるマルコ氏に引き継がれた。『ラ・モッラ村にしか表現できないバローロのエレガンスを大切にしたい。何も変える必要はない。ただ毎日畑をケアしてあげることが大切』
ブルナーテで最高の区画を所有
『私が知っている中で最高の畑はマレンゴのブルナーテだ』これはエリオ・アルターレの言葉。ラ・モッラの最大の長所である繊細さを最も高いレベルで表現することが可能なのは限られた畑であり、その最も重要な畑がブルナーテである。しっかりとした骨格、構成を持ちながらも、まさにテロワールでしか説明がつかない繊細さを持っている畑。コート・ド・ニュイのワインで稀に味わうことができる、どこまでも丸く、溶けるような甘味とそれを支える凛とした酸の調和は出会えることの少ない貴重な個性だ。少し時間は必要だが時間と共にその本来のポテンシャルを感じさせてくれるマリオ・マレンゴのバローロはイタリア最高峰のワインに育ってきたと言って良いと思う。