モルゴン 2019 / マルセル・ラピエール
( Morgon / Marcel Lapierre )
商品コード:
フランス ボジョレー地方
サン・スフル ガメイ 100%
2019年のモルゴン村は、あの酷暑の2018年を超えるような灼熱の暑さがボジョレー全体を襲いました。元々冬の時期から降水量は殆ど無く、干ばつに近い状況で、私が訪問した7月上旬は暑さのピークで、最高気温は43℃!湿度が無いため畑にいることは出来ますが、みるみるうちに立っていられない程に。このままの気候で推移してしまうと葡萄の状態が懸念されるほどでしたが、8月中旬から一気に秋の気候になり、過熟気味だった葡萄に酸が与えたれました。そして収穫前の気候の落ち着きが葡萄に本来の味わいを取り戻させ、より一層の深みが。
7月の時点では、あまりの暑さに先行きに不安を覚えましたが、モルゴン村の気候を熟知し、偉大なレベルまで仕上げてくるマチュー、カミーユ兄妹の手腕には脱帽です。
ガメイという品種の可能性を考えさせられる1本。更に数十年先を期待させるものとなっています。
照りの有る明るいルビー色。フレッシュな赤系ベリー香りが鼻孔を直撃し、次第に花畑にいるかの様なフローラルな香りに包まれます。レザンゴーロワと同様に、2018VTの果実主体の味わいに立体的な酸が支えている構成が非常に素晴らしく、そしてその奥行きのある味わいに身も心もメロメロになってしまいます。非常にやわらかな質感の液体で、何の引っ掛かりもなく、ゆっくりと身体に溶け込むかのように染みていきます。果実・酸・ボディと各々の構成がしっかりしているワインですが、全体的に明るく重心が上であり、テクスチャー自体が上向きであるため、重々しくは感じさせません。2018VTの果実感にエレガンスが加わり、バランスの高さが際立っている2019VTは、やはり偉大な年であると思わせる液体です。
ガメイのポテンシャルを最大に感じさせる今年のモルゴン。ガメイ好きは必飲の1本です。