ル・カノン・ルージュ 2019 / ラ・グランド・コリーヌ
( Le Canon Rouge / La Grande Colline ) 3667
商品コード:
nomal
フランス、ローヌ
品種: シラー 赤ワイン
アルコール度: 15%
*キャップシールは付いておりません。
2017年以降のル・カノンはミュエル・モンジェルモン氏が醸造することになりました。(*2018年はル・カノンの醸造は行っておりません)
サミュエルはラ・グランド・コリーヌの設立に関わった人物で、今でも共同経営者としてドメーヌの運営に参画しています。ワイン関係の法律に詳しいだけでなく、シャトー・ヌフのとあるドメーヌにて醸造責任者を務めており、2017年以降ル・カノンはここで醸造されています。
ナチュラルワインの醸造においても経験は長く、かなり昔のことですが、サミュエルによるシャトー・ヌフ・デュ・パプ2003年のナチュールバージョンを飲んだことがあります。それは実にジューシーでスタイリッシュ、記録的な酷暑に見舞われた年にも関わらずエレガンスすら感じる素晴らしい味わいだったことを記憶しています。サミュエルは十数年にわたりカノンを飲んで来た人で、大岡さんがどのように醸造しているかも熟知しています。彼が醸造した2017年は大岡さんが醸造した葡萄らしさの残る素朴なニュアンスも感じさせながら、どこか洗練された印象でした。今回の2019年ヴィンテージに関しても、非常に綺麗で端正な仕上がりで、暑い年だったためアルコールは15%程あるにも関わらず、アルコリックな印象を全く感じさせない飲み心地。まさに2003年のシャトーヌフを飲んだ時に感じたものがフラッシュバックするような仕上がりで、これこそがサミュエルのワインに共通するスタイルなのだろうと思います。
手摘みで収穫後、除梗し2週間セメントタンクにてマセラシオン。プレスの後タンクで半年間の熟成。
やや紫がかった深紅の色合い。ブラックベリーやブルーベリーなどのコンフィチュール、ドライプルーンなどのような凝縮した香りに新鮮な黒系果実も混ざる印象で、それに加え紅茶の茶葉を想わせる香り高さが伺えます。口当たりは滑かで負担がなく甘い風味は控えめで、香りにあるような若々しい果実とジューシー感が広がりながら、明るいアタックの印象からアフターにかけて紅茶の風味やビターカカオ、仄かに木の皮のような芳ばしさときめの細かいタンニンが僅かに残り、芯のしっかりとした落ち着いた雰囲気が感じられます。全体を支えるしっかりとした酸が輪郭をつくりキリッとしたスマートな佇まいで、度数15%と高めの表示ながらもアルコール感は全く感じられないどころかむしろ冷涼感さえあり、軽いタッチにすら想わせる程良いミディアムの仕上がりです。