生産者
現在、マチュは5haの畑を1人で管理している(繁忙期は季節労働者が数人手伝う)。彼の所有するブドウ品種は、 シラー、グルナッシュ、カリニャンの3品種で、樹齢は7年〜65年。「良いブドウを作るために、しっかりと畑を
耕す!」をモットーに有機の畑作りに力を入れている(2009年にエコセールの認証予定)。彼自身、南ローヌに拠点を置くものの、好きなワインのタイプが北のエレガント系であることから、必然的に彼のワインづくりは、酸とワインの繊細さ、そしてバランスの大切さに意識が集中する。2008年は、彼の初ミレジムでもある2006年ワインが、
いきなり Les meilleur Vins de France (クラスマン)から「期待の新人!」として注目されるなど、フランスでも 評価と期待が高まりつつある。
「これぞまさに The ローヌの赤ワイン!」という意味を込めたヴァン・ルージュ!レオン・エ・セラファンが全房のままスミマセラシオンカルボニックで仕込んでいるのに対し、ヴァン・ルージュは除梗破砕を行い、クラシカルなマセラシオン方法で仕込んでいる。前回同様にグルナッシュとカリニャンは樽熟、そしてシラーはタンクで熟成し最後にアッサンブラージュしている。2017年は、猛暑と日照りによりブドウの果汁が少なく、アルコール度数も14%まで上がった年だが、実際の味わいは予想以上に滑らかな口当たりで、アルコールの高さをそれほど感じさせない。また、フルボディだがタンニンもきれいにこなれていて、喉越しのしっとり感もたまらない。今回のレオン・エ・セラファン同様に、あと数年寝かせてみたいワインだ。